10日に東京に戻ってから今まで、編集作業にこもっていました。
4月25日(土)にポレポレ東中野で行われる「4.26オールナイト」のイベント特集で、『祝の島』のラッシュ上映の時間をいただき、そこで流す映像をまとめるためです。
まだ完成もしていない映画の経過の映像を、それもこれが初めての作品となる新米監督の映像を映画館で流していただけるなどということは、普通では考えられないこと。でもこの4.26イベントというのは、1986年4月26日に起こったチェルノブイリ原発事故の日にちなんで、毎年、原発に関連した映画特集をしており、現在進行形で原発と対峙している島、そしてその島を取り上げている映画ということで、今回、声をかけていただきました。
こんなまたとない機会をいただいたことに、心から感謝しつつ、映画館でお客様に観ていただけるということで、かなり緊張しています。
今回は、ラッシュ上映ということで、ナレーションも字幕も、もちろん音楽もなしで、島のこと、そして映画の雰囲気をちょこっとでも感じていただければということで構成していますので、私の方で映像の解説しながら進行させていただく予定です。
オールナイトで出にくいと思われる方も多いかもしれませんが、ぜひお時間許すようでしたら、4月26日に思いを馳せ、どうぞおもいきってお出かけ下さい!
(ちなみに『祝の島』ラッシュ上映は、トップバッターで、23時15分スタートで約50分を予定しています)
*************************************************
<4.26オールナイト vol.2>
チェルノブイリ原発事故の発生日である4月26日。ポレポレ東中野では、この日近くの土曜日に「原発」に関する映画をオールナイトで上映する企画を2008年より立ち上げました。
2回目の本年は『アレクセイと泉』でスタッフを務めた纐纈あやの初監督作品『祝の島』の特別ラッシュ上映をはじめ、社会派ドキュメンタリー、インディペンデント劇映画の異色作、写真家による映像美溢れる世界など、「原発」に関する多様な映画を一挙に上映します。
【日時】 2009年4月25日(土)23:00開場/23:15開映 (5:40終映予定)
↑《開催日注意》4.26イベントですが、今年は25日(土)開催です!
【上映作品】
『祝の島』監督解説付ラッシュ上映(約50分予定) 監督:纐纈あや
『ドキュメント‘89脱原発元年』(1989年/105分/16mm) 監督:小池征人
『へばの』(2008/81分/DV-CAM) 監督・脚本:木村文洋
『ナージャの村』(1997年/118分/35mm) 監督:本橋成一
【料金】
前売 : 1,800円(劇場窓口・チケットぴあにて発売中!)
当日 : 2,300円
*当日整理番号の受付(10:10より)が必要となります
4.26オールナイト詳細情報 → http://www.mmjp.or.jp/pole2/
スポンサーサイト
- 2009/04/24(金) 02:37:42|
- イベント
-
| トラックバック:0
-
祝島での撮影で、欠かせない必須アイテムがいくつかある。
まずはなんといってもこれ、島帽子。

祝島は、日射しが強い。潮風も強い。
撮影を始めた去年の夏、猛暑の中、撮影に明け暮れ、私は日焼けで顔の皮が剥けるという大失態を冒した。「30代で肌が剥けるなんて、それも顔なんてもう致命的。あやちゃんは自分の肌を買い被り過ぎてるー!」と大久保さんから、厳しくも思いやり溢れるお言葉(笑)
もうそれ以来、ずぼらな私もUV対策に力を入れている。そしてこの島帽子は、そんな女性のつよーい味方なのである。ひさしが大きく、首根っこも隠れるこの帽子は、ほんと優れものである。
去年の夏、神舞で島の人たちと大分の伊美別宮に一緒に行ったときのこと。伊美で島帽子を被って撮影している私たちを見た里楽師さんが、島の婦人会のおばちゃんが一緒についてきたと勘違い。今年はやたら本格的にピンポイントで撮影しているなあと感心したのだと、あとで仲良くなった里楽師さんから聞いて大爆笑したのだった。
そう、この帽子をかぶると、いっきに島のおばちゃんに近づける魔法のアイテムなのだ。
今日は朝から一日お天気で、まさに島帽子日和でありました。
- 2009/04/06(月) 23:00:01|
- 撮影編
-
| トラックバック:0
-
今は祝島にいる。
今回は、特に広島から柳井港駅に向かう電車の中から、今まで以上に嬉しくてワクワクしてしょうがなかった。なんでだろう。春がきたからだろうか。
そう、10日ぶりに戻ってきた祝島では、山のあちらこちらで山桜が花開き、今日などはまさにお花見日和。私の中では、梅はつましく、桜は豪快。どちらかといえば、梅の方が好きなのだが、でもここ祝島の桜は、群生して一面に咲き乱れるのとは違って、山々のあちらこちらを、ポッポッと薄桃色に染めて、その姿はとっても愛らしく、風情がある。

今回のロケで、なんといっても大きなことは、製作スタッフの中植きさらちゃんが、撮影中のアシストをしてくれることになったことだ。大久保さんと私の二人三脚から、トライアングルのチームに昇格である。本当にうれしい。
ここでちょっと中植きさらちゃんの紹介を。
彼女とのご縁は、7年前にポレポレの事務所に届いた一通の手紙だった。(…と、この話しをすると、本人は「またそんな昔のことを!恥ずかしいからダメ。」と怒るものだから、ここだけの話しである。)
その年、二十歳の誕生日を迎えるというその女性は、振り袖を作る代わりに、『アレクセイと泉』の映画上映会をすることを思い立った、と書き綴っていた。こんな二十歳の女の子がいるなんて。本橋さんと私は大興奮だった。その女の子がどんな人物か、そして夏の野外シアターでの上映、ということにそそられて、呼ばれてもいないのに、事務所のスタッフ全員で、当日の上映会に突撃訪問したのだった。そこにいた女の子が、まさにその人、中植きさらちゃんだった。
それからしばらくして、ポレポレタイムス社に来てもらうようになったのだから、彼女とは既に7年のお付き合いになる。
彼女は、干したてのお布団のような人。ふわっとあったかくて、懐かしい匂いがして、そこにいるだけで、なんだかほっとしてしまう。もちろん、事務的なお仕事から、お料理から、美術的センスから、突っ込みから、マルチな才能溢れる人である。
そう、昨年の秋、千葉の市原に、
松田正平展を二人で観に行ったときのことだ。美術館からの帰り道、なんだか気持ちの良さそうな、古い神社の前を通りかかり、引き寄せられるようにお参りをした。その帰りに、二人でおみくじを引いた。そしてきさらちゃんのおみくじには、胸を痛めるひとことが…。
“女難の相あり”
ズキッときた。
なぜならその頃、映画製作に彼女を巻き込んでしまったという責任を感じていたからだ。映画づくりというのは、人生が変わってしまうような出来事の連続だからである。
いやいや、私が巻き込んだというのもちょっと違う。
映画製作に関わり始めてから、感じていることがある。
映画になるべくものは既にそこにある。
そしてその映画自身が見える形を自分で取ろうとして、
必要なものを次々と引き寄せ、動かしていく。
そうして、この映画『祝の島』は、初めに私を巻き込み、本橋さんを巻き込み、きさらちゃんを巻き込み、大久保さんを巻き込んでいったのだ。そして、これからもまだまだ巻き込まれる人が続くのである。
映画の求心力というものは、魔力である。
あの手紙を読んだ時、その数年後に自分たちで映画を作ることになろうとは、私も、おそらく彼女も、夢にも思ってみないことだったに違いない。
- 2009/04/02(木) 23:40:20|
- 撮影編
-
| トラックバック:0
-