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学生時代にタイムスリップ!

今夜、久しぶりに学生時代の旧友二人と会った。

私は中学から短大まで、自由学園という一貫教育の学校に通っていた。
この学校は羽仁吉一・もと子夫妻によって、大正10年に創立。思想しつつ、生活しつつ、祈りつつをモットーに、24時間の生活すべてが勉強であるとという理念の下、様々な実践教育が行われている。

例えば、だだっ広い公園のようなキャンパス(3万坪)を管理するのも生徒。毎日の昼食も、生徒自身が料理の勉強として作り、食器の後片付けはもちろん、学校で使っているものの洗濯や、食材の仕入れ、その他ありとあらゆる運営を生徒自らの手で行っている。自分のことは自分でする。自労自治が勉強の大きな柱なのである。

季節ごとに違う木に登っては剪定をし、料理で出た残飯をリアカーに乗せて焼却場まで運び、炎天下の中、芝生の草刈りをする。魚を何十匹とさばき、学校中の雑巾を集めて釜で煮洗いし、夜遅くまで、野菜の注文数をとりまとめる。

そんなことばかりしていたものだから、私の中では、学校に“働きにいっていた”という言葉のほうがしっくりする。学校を卒業して、企業に就職した時、同期の女の子が社会人て大変…、とぼやいている横で、私は学校の時よりも身体はラクで、さらにお金をいただけるなんて!とひとり感動したのであった。

自由学園は少人数教育で、一学年一クラス。60人から80人の友人と5年~8年間を過ごす。競争ではなく協力、との教えの中で、学期ごとに全員の話し合いの下に編成される班も“家族”と称され、まさに日々の生活を共にする。

学園生活、今となってはすべてが良き思い出であるが、当時は毎日が本当に苦しかった。素晴らしい理念を持ちつつも、硬直化、空洞化している教育体制や、伝統を守ることばかりに固執する教師陣に私はいつも楯突いていた。

その中で、生活を共にしていた友人は、まさに家族であった。家族とは、好き嫌いで選択できる関係ではない。長所も、短所も、その性質も違う人間を認め、受け入れ共に生きるという関係だ。そういう前提で、クラスの友人と8年間を共に過ごした。そして卒業して14年。今でも、私にとって、学園時代の友人は、本当にかけがえのない存在だ。これからも、このつながりが私の中で消えることは決してないだろう。

そんな時代を共に過ごした友人、コウチとシホに会ったのだ。話していると、今の近況報告から、「高2のあのときは…」の話しに飛び、家族の話しになり…、もう話すうちに段々興奮して、ツバを飛ばすやら、大声になるやら…。ああイイ大人がみっともない。

そして、びっくりしたのだ。
なんと、祝島の真っ正面に見える田ノ浦、そう上関原発予定地である湾に、コウチは長島の自然を守る会の人と一緒に調査で潜っていたのである。それも私が、『アレクセイと泉』のフィルムを持って島を訪れた時とそう変わらない時期に。卒業してから今の今までまったく別の道を歩んでいたと思っていたのに、こんなふうに、人生が交差しているなんて。実に不思議なものである。

色々なことを話しながら、自分の奥の奥の部分が久しぶりに開いて、ほぐれていくような感覚になった。そしてやっぱりあの頃と変わらずに、一生懸命生きている二人を目の前にして、なんだか涙が出そうなほど、愛おしい気持ちでいっぱいになった。

新宿駅で、別れ際、思わず二人に抱きつき、そして帰路についた。


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  1. 2009/03/06(金) 01:17:46|
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小平中央公民館にて写真展&トーク (11月4日~6日)

今、祝島の地元、山口県をはじめ、関西、そして東京でも、祝島のこと、上関原発のことをひとりでも多くの方に知っていただこうと色々な催しが開かれている。11月もイベント目白押しである。

11月4日~6日まで、小平中央公民館でも原発建設予定地である長島の自然についての写真、祝島の人たちの反対運動を撮影した那須圭子さんの写真展が行われる。最終日には、私も映画製作を通しての祝島のことを少しお話しさせていただくことになっている。詳細は下記の通りである。

日 時:11月4日(火)~6日(木) 10:00~17:00
    6日14時より映像&トーク
場 所:小平中央公民館ギャラリー(tel:042-341-0861)
問合せ:すなめりの会 島さん(tel:042-332-2647)

詳細はこちら→ すなめりの会

  1. 2008/11/01(土) 19:25:39|
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墨田区生涯学習センターに行ってきました

 今日は、「瀬戸内の原風景 長島」DVD上映会に行ってきました。

 祝島が属している上関町とは、山口県の最南端に位置し、周防灘に突き出した室津半島と、長島・八島・祝島の有人島から形成されています。長島は、上関原発の建設予定地となっている田ノ浦がある島で、未だに自然の海岸線が残っており、希少生物も数多く生息しています。原発の建設が始まれば、この湾に面する山が削られ、大部分が埋め立てられることになります。DVDは、希少生物の紹介をはじめ、既に原発を建設するにあたり始まっているボーリング調査で、深刻な影響が出始めている現状を説明しているものでした。

 会の後半には、私が出会った祝島の人のこと、何に心を動かされて映画を撮ることになったかについてを、お話しさせていただきました。

 終了後には、何人かの方たちと一緒に昼食をいただきながら、色々な話しをしました。みなさん、何か自分にできることはないかと真剣に考えていらっしゃる方ばかりでした。

 この会を主催して下さった方は、祝島で3歳まで育ち、島を離れてからも、休みになる度に島に帰省し、自分は島の人たちに育ててもらったようなものだとおっしゃいます。そして、あるとき、反対運動の様子を撮った写真の中に、いつも優しく笑顔で自分のことをかわいがってくれていたおばさんが、必死の形相で建設反対を訴えている姿を見つけます。その時から、もういても立ってもいられなくなり、自分にできることを、地道にコツコツと続けていらっしゃるとのことでした。

 私も、私にできることをひとつひとつしていこう、自分自身の心を開いて、人と出会い、思いを交感していこう、とあらためて思ったのでした。


 
  1. 2008/09/07(日) 23:45:35|
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